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山本作品完全レビュー 第2回「BLUE」

・・・さてそんなわけで!

前回のありがとうに続いてまたまた山本直樹作品のレビューをやりたいと思います♪

 

今回取り上げる作品はこちら☆

blue.jpg

山本直樹さんを代表する名作であり、かつて世間をお騒がせさせた問題作「BLUE」です☆

 

この作品は1991年にビックコミックスピリッツに掲載された表題作を含めた全7編からなる短編集なんですが・・・いろいろあって全部で4回出版されるという山本作品の中でも最も多くのバージョンが存在する作品なのです♪

 

・・・というのもこの作品、最初に出版された光文社版が発売されて間もなく当時世間を騒がせていた有害コミック騒動に巻き込まれてその内容が問題となり回収・絶版という憂き目に遭ってしまったという経緯があったんですね

 

しかしその後作品を支持するファンの方々や山本さん自身の希望により成年コミックとして再販する事になったのです☆

 

その後さらに2度に渡り再販されるに至るほど絶大な人気を得ることになるのでした♪

山本さん自身もあとがきで「死ぬまでにこれほど面白い作品はもうできないかも知れない」と言っているほどに評価し、また大切にしている作品なのです!!

 

・・・ということで順番に収録作品のレビューをやっていきたいと思います☆

 

 

「BLUE」

 

 主人公の灰野は退屈な授業に嫌気が差し、ある日授業をサボって学校の屋上にやってきますが灰野はそこでクラスメイトの九谷という少女と出会うのでした

 九谷はすでに廃部となっていた天文部の部室によく息抜きに授業をサボって遊びに来ていたということらしいです・・・

 そこで灰野は九谷からBLUEと言う名前のカプセル薬をもらいます

 それはいわゆる興奮促進剤だったのです・・・

 

 そんなわけでそれから暇さえあれば屋上で逢引を繰り返す二人の様子を灰野の回想という形で語られていくわけです・・・

 

 どこか冷めた感じで淡々と行為を繰り返す九谷に灰野は徐々に魅かれていきますが・・・結局二人は学校を卒業し、別々の進路を進んでいくのでした

 

 そして数年後、灰野は再び学校を訪れるといった形のラストで締めくくるお話なんですが、ぶっちゃけこのお話のストーリーはあってないようなものです(爆)

 

 あくまで淡々と灰野と九谷が性に溺れていく様を描いていくこの作品は後の山本作品に通じる退廃的な雰囲気を楽しむといった感じの作品なのです♪

 

 それを象徴するかのように冒頭の扉絵どこまでも続く美しい青空が描かれています☆

 そしてこの全てを読み終わった後、作品自体が本当に美しく儚いお話であったという事と思えるような不思議な余韻を感じることができます☆

 

 この短編集の表題作であり、そのBLUEといタイトルが作品の全てを語っているお話で僕も山本作品の短編の中でも最もお気に入りのうちの一つとなっています♪

 

 読みながらまるで僕自身もBLUEを飲んでいるかのようななんとも言えない快感を感じられたような気がしましたね(笑)

 

 

・お気に入りのセリフ

 

 この不浄なイナカを抜け出し誰も知らない東京めざしてこの道をどこまでも南へ走ろう

 このまま東京まで逃げてそこで二人貧しくともつつましく暮らそう

 

 学校を抜け出して先輩の車でドライブをしている時に灰野が九谷に言ったセリフです♪

 学生であれば誰もが考えるであろう全てから逃げ出したいという願望がよく現れた言葉ですね☆

 

 そのすぐその後に九谷に「冗談でしょ?」と言われて「・・・冗談だよ」と言い返すシーンもどこか切なげでよかったです!!

 

 きっと灰野は本気だったのかもしれませんね・・・でも九谷は灰野が思っていた以上にドライだったという事を感じられました☆

 

 そして学生達の甘酸っぱい青春と切ないラストという設定はこの後に発売された「YOUNG & FINE」へと引き継がれていくわけです!

 

 

「ヒポクリストマトリーファズ」

 

 ある日サラリーマンの主人公は夜の繁華街でマッチを売っていた少女を半ば強引に“買って”しまいます・・・

 

 その少女は母親に言われてこのような事を毎夜行っていたと主人公に話すのでした・・・その言葉に同情した主人公は「こんな事はもうやめて母親から逃げ出すべきだ」と言いますがその後少女はカレンダーに書かれた印を指差してとんでもないことを口走るのでした・・・

 

 「これ、お母さんを殺す日なんです」

 

 それから主人公は不思議な幻覚の中で少女の壮絶な過去を知ってしまうのでした・・・

 

 このお話は先ほどのBLUEと違って虐待や売春といったかなり重いテーマを使ったちょっとシリアスなお話です・・・

 

 不幸な少女を目の当たりにしても自分には家族がいる以上救ってあげることはできない、そんな主人公の葛藤とそれでも少女の不思議な魔力に魅かれていく姿がかなりリアルに描写されています♪

 

 そしてBLUE同様にちょっと切ない感じのラストを迎えるわけですが最後の最後はちゃんと笑えるオチで和ませてくれますよ☆

 

 他の収録作品に比べると若干地味なお話かもしれませんがその重めの設定もあってかなりメッセージ性の強いお話であったと思いますね!!

 

 

・お気に入りのセリフ

 

 10円です

 だって朝まで一緒にいてくれたから ありがとう

 さようなら

 

 朝、代金を払おうとした主人公あくまでマッチ代の10円のみでいいという少女のセリフです

 

 売春をしているとは思えないほどににこやかな笑顔でそう言った少女の気持ちを考えると胸が痛くなります・・・

 

 結局主人公は二度と少女に会うことはなかったみたいですが・・・果たしてその後少女はどうなってしまったのかいろいろと考えさせられるラストであったと思います☆

 ・・・いつかこの後の少女の話を見てみたいですね♪

 

 

「なんだってんだ7days」

 

 ある月曜日の夜、大学生の主人公有賀ススム学校の友人達に誘われて居酒屋に飲みに行く事になるのですが・・・そこでススムは成り行きで酔いつぶれた岡津という女性の部屋に泊まることになるのでした♪

 

 そしてさらに成り行きでススムはその後1週間の間半ば同棲状態となり岡津と身体の関係を続けていきます・・・

 

 BLUEと同じくそんな爛れた生活を続ける二人の様子曜日ごとに淡々と描いていく感じのお話でこれもお話よりもその雰囲気や空気感を感じて楽しむ作品かもしれませんね♪

 

 んで最後には岡津の他の男との関係がススムの視点から断片的に見ることになるんですが最終的にその後の二人がどうなったのかは語られないため、それから先は読者に委ねられるという形になっています☆

 

 この作品に関しては曜日ごとに区切って二人の心情の変化なんかを表現する方法はかなり上手いなぁと感心しましたね!

 

 

・お気に入りのセリフ

 

 そして僕は岡津さんがとてもきれいなことに気がついた

 そして僕は相変わらずの暗くうつむいたままのガキだ

 

 ラストシーンで再び飲み会の場で顔を合わせた岡津を見てススムが言ったセリフ☆

 改めて岡津の魅力に気づいたと同時に岡津に比べて自分がいつまでも成長しないガキのままなんだとススムが気づくといった感じでお話は締めくくられるわけですが・・・この作品に限らず山本さんの描くキャラはいつでも女性が分別のある大人として描かれる一方で男はいつまでもウジウジしている精神的に未熟なヤツが多いという印象を受けますね♪

 

 やはりいつの時代も女性の方が男よりも大人であるという山本さんなりの考えの表れなのでしょうか・・・(笑)

 

 

「197X」

 

 舞台はタイトルどおりに1970年代の田舎町

 そこにはサカタという映画好きな一人の少年がいました・・・

 

 ある日サカタはいつものように映画館へ映画を見に行ったのですが・・・そこでサカタは金丸というクラスメイトの少女に出会います・・・

 

 それから二人は一緒に映画を見るのが習慣になっていくのですが・・・この金丸という少女は映画を見ながら隣に座っているサカタの身体を触ってくるのでした・・・

 

 その後、映画館での二人の行為は次第にエスカレートしていくのですが、ある日その行為を学校の上級生の男に見つかってしまうのでした・・・

 

 映画館という閉鎖された暗闇の中で思春期の男女が行為にふけるというシチュエーションによってそういったシーンをおおっぴらに描写されている他の作品よりもどこか背徳的この作品のエロさをアップさせています☆

 

 そしてこの作品も自分勝手な少女に男の子が振り回されるというかなり皮肉めいた内容山本さんの黒い部分が垣間見えるお話となっています(笑)

 

 モテない男として最後のサカタのやるせない気持ちが非常に共感できますね(爆)

 

 

・お気に入りのセリフ

 

 ・・・だって、おもしろいこと楽しいこといっぱい知ってるんだもん

 サカタ君映画しか知らないじゃない

 

 散々振り回した挙句に他の男に乗り換えた金丸最後にサカタに言ったセリフです・・・しかしいくらなんでもこれはひどすぎ!!サカタがかわいそうすぎる(泣)

 

 個人的にはこの後サカタが最後に発したセリフがツボだったんですが・・・それは実際に見て確かめてください(笑)

 

 というかこのサカタという少年はこの本の収録作品の中で最も哀れな主人公だったのではないかと思いますね(爆)

 

 

「激しい王様」

 

 何故か中学校に通う王様が主人公のお話(笑)

 ・・・というかこれに関してはかなりシュールでムチャクチャなストーリーでどちらかというと山本作品というよりも森山塔作品のテイストが強いですね

 

 とにかく作品全体が突っ込みどころ満載のナンセンスな設定で特に王様の遺伝子を我が物にしようと身体を求めてくる女性キャラ達の姿はかなり笑えます☆

 

 そんな中で唯一王様に対してツンツンした態度を取っていた鮫山という少女を王様は愛してしまうのですが・・・ラストは予想だにできない展開と強烈なオチで締めくくられます(爆)

 

 この辺りは後の山本作品の短編で何度となく使われるようになるのですがこの頃はこういった作風のモノは珍しかったのではないかと思いますね☆

 

 とにかくそのシュールな世界観とギャグに爆笑して最後のオチにあっけにとられるという僕が最も好きなタイプの作品です!

 

 

・お気に入りのセリフ

 

 これはもう愛だ

 僕が本当に求めていたのは君なんだ

 

 命を助けられた鮫山に対して王様が言ったセリフ♪

 それまで自分以外の人間をモノとしか思っていなかった王様初めて自分の感情をあらわしたシーンですね☆

 

 そして最初はツンツンしていた鮫山もまた王様に魅かれていくという今ではすっかりメジャーとなったツンデレ的な描写は必見です!!

 

 ・・・てか15年も前にすでに山本さんはツンデレというものをここまで完璧に描いていたという事実が驚きですね(笑)

 

 

「希望の友」

 

 さっきの王様にそっくりな少年の家に突然やってきた一人の女性が「人生の希望についてお話させてください」と言ってなにやら勧誘をはじめます・・・

 

 そこで少年は逆にこの女を言い負かせてかなり強引に身体を奪ってしまうのでした(爆)

 ・・・そしてこれまた理不尽なオチで締めくくるという感じのお話☆

 

 前半の甘酸っぱい青春モノの連続でかなり心が切なくなっていたんですが先ほどの「激しい王様」とコレのダブルコンボで瞬時にそんなものはぶっ飛びました(爆)

 

 ・・・という事でこちらもかなりシュールでいい意味でくだらない作品です(笑)

 まあこれについては作品自体が短い事もあってあまり語ることはないのですが少年が勧誘のお姉さんを上手い感じに言い負かしていくところはかなり面白いですね☆

 

 ・・・実際に妙な勧誘訪問がきたらこんな感じであしらえたらいいんですけどね(笑)

 

 

・お気に入りのセリフ

 

 ああっ 人間てやっぱりすばらしいものなんだあっっ

 

 行為に耽りながらこんな事を言うヤツは初めて見ました(爆

 ・・・んでそんな事を言っておきながらその直後に「そーいや名前聞いてなかったな」とか言ったのがまた爆笑です☆

 

 とりあえずこの少年はコレ以後他の作品に登場する事はありませんでしたが山本さんの生んだキャラとしてはかなりいい味を出してるんでかの名キャラかもしだ君のように再登場を願いたいところですね☆

 

 

「ずびずば」

 

 ある日突然学校で倒れてしまった主人公の少女真名はいつのまにやら第二保健室なる場所に運び込まれていました・・・

 

 そこに現れた怪しげな校医に精密検査を受ける事になったんですが・・・ぶっちゃけこの作品、かなりエグいです(汗)

 

 初めて見たときはすさまじい衝撃を受けましたが相変わらずシュールな展開とキャラのかけあい、さらにラストのオチでしっかりと笑わせてもらいました☆

 

 見る人が見たら気分を悪くするかも知れませんがこういった衝撃的な作品も山本作品の醍醐味なので個人的にはこれはこれでありかと思います♪

 

 

・お気に入りのセリフ

 

 しろーとはだまらっしゃい

 

 真名の身体を触診している先生が言ったセリフです(笑)

 ・・・てかこの作品に限らず山本作品のキャラはこういった独特でインパクトあるセリフを言う事がよくあるんですが毎回不覚にも笑ってしまいます☆

 

 本当に山本さんは毎度毎度よくこういう個性的なキャラを作り出せるものだなぁと感心しますね♪

 

 ・・・それにしても最後がこの作品というのもまたインパクト絶大ですな(爆)

 

と、そんな感じで一通りレビューをやってみたわけですが・・・やっぱり何度読んでもこの作品は面白い!ですね☆

 

レビューのためにもう一度読み直してみたんですが・・・夢中で読みふけってしまいました(爆)

それくらい中毒性のある作品なのではないかと(笑)

 

まぁそんな感じで自他共に認める山本作品の最高傑作とも呼べる代表作なので山本直樹さんに興味ある方はこの作品から入るのもいいかもしれませんね♪

 

この1冊に山本作品の全てが入ってると言っても過言でない名作!

ぜひ一度お試しあれ(笑)

 

・・・お気づきかと思いますが今回は作品に合わせて文字色を全て青系で統一してみました☆

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コメント

ヴァンデさんの最近の山本直樹作品のレビューを見てたら
無性に山本直樹さんの作品が気になってきましたw
探してみようかな。

宮子さんの感性ならきっと気に入ってくれるかと思います♪
特に最近のモノはその退廃的な世界観と幻想的で謎めいたストーリーが楽しめますのでぜひどこかで見つけたら手にとってみてくださいね☆
・・・そしてこれからもレビューは続けていく予定なのでぜひ参考にしてみてくださいな♪
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