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山本作品完全レビュー 第8回「夏の思い出」

・・・さて

 

相変わらず暑い日が続きますが、夏はまだまだこれからが本番です!!

そんな夏の暑さを感じているとふと忘れていたある事を思い出しました・・・

 

という事で今日はどえらい久々となるこちらをやりたいと思います!!


山本作品完全レビュー!!!

 

・・・皆さま果たしてこのコーナーを覚えていらっしゃいますでしょうか?

ちょっと調べてみたら前回「極めてかもしだ」のレビューをやったのが2008年の8月という事で実に約1年ぶりという放置っぷりに僕自身がびっくりしました(爆)

 

というのもこのブログとももうちょっとの間の付き合いとなってしまうんでそれまでにできるだけ止まっていた企画の続きをやろう!と思い立ってまずはこれに手をつけてみようという事になったわけです!

 

・・・本当はアニメ感想やらイベントレポやら他のやつをやろうと思っていたんですが、先日購入してきた傑作選「夕方のおともだち」「レッド」の最新巻を読んで久々に山本直樹熱が上がってきたというワケです(笑)

 

そんなわけで今回ご紹介する作品はこちら!!

 

natunoomoide.jpg
 

 「夏の思い出」です♪

 

この作品は1994年に発売された作品で今ではすっかり山本作品の主要出版社となった太田出版から初めて発売されたオリジナルの単行本となります♪


内容はビジネスジャンプに掲載された表題作をはじめ、シリアスとギャグリアルとファンタジーが入り混じったかなり異色な組み合わせの短編集となっております!

 

毎回毎回山本さんの短編集には読むたびに衝撃を受けているんですが、この作品もまたなかなかにインパクト絶大な1冊です・・・


とりあえず収録されているお話を順番にご紹介していきましょう・・・

 

 


夏の思い出

 

表題作であり、この本最大の、そして全ての山本作品最大ともいえる問題作!!


お話は夏のある日、世間を賑わせていた連続婦女暴行殺人事件の犯人が逮捕されるところから始まります・・・

 

主人公の中年刑事はこの凶悪な犯人の取調べを担当する事になったのですが、この犯人は反省するどころか自分のやった行為を楽しげに、そして誇らしげに語り始めるのでした・・・

 

山本作品といえばエロと言っても過言でないくらい性描写に関しては必ず出てくるわけですが、
ぶっちゃけこの作品ほどその描写が生々しく、また不快にさせる作品はありませんでした・・・

 

基本的に犯人の独白と主人公の刑事の日常のシーンが切り替わりながらお話が進んでいくんですが・・・この犯人の独白があまりにリアル想像を掻き立てるようなセリフが絶妙読んでいて嫌な汗が出てくるようでした(汗)

 

もちろんやっている事は凄惨で決して犯人に同感する事など皆無なのですが・・・不思議な事に少女を犯し、殺す時の快感を生々しく表現する行為に不謹慎ながら興奮している自分がいてそこがまた恐ろしかったです・・・

 

この作品はそんな犯人の独白を聞いていくうちに主人公の刑事も徐々に自分の中に潜んでいる猟奇的な一面を感じ始めるといった部分が肝だと思うんですが、本当にヤバイくらいにそれが読者にも伝わるお話ですね

 

ストーリー自体は山本作品の王道どおりに淡々と、ほとんどヤマもなく進んでいってラストにちょっとしたオチを持ってきて唐突に終わるというパターンなんですが、読み終わった後の異常なドキドキ感はおそらくこの作品以外で感じたことはないでしょう・・・

 

とりあえず一言言えるのは「ヤバイ作品を読んでしまった」という罪悪感に似た気持ちでした(笑)

 

本当に感想を言葉にするのが難しいむしろしたくないというのが素直な感想かもしれません(汗)

 

知りたくもない異常犯罪者の心理をちょっとだけ知ることができる作品かもしれませんが、これを読んでどう感じるかは読んだ人それぞれに委ねられるのではないでしょうか?

 

不快な気持ちだけで何も感じなかったという人はきっと正常な心の持ち主かも?(笑)

 

ちなみにこの作品はVシネマ化もされているそうですが・・・ぶっちゃけ映像ではこの作品の本当の面白さ(?)を表現するのは難しいと思うんですが・・・(汗)

 

・・・まあ実際に観たことないんで何とも言えないんですけどね(爆)

 

 

 

 

ヤングフォーク

 

1973年、人類は滅亡する

 

そんな胡散臭い記事を雑誌で読んだ田舎町の冴えない中学生の主人公は人類が滅亡するまでに何をして過ごそうかと考えますが・・・結局自分には何もできずに趣味のフォークのレコードを聴いてギターを弾き語りながら淡々と生活を続けていきます

 

そんなある日、主人公の少年は同級生で同じくフォークが趣味の女の子・志室と知り合います


そしてその後は何度か二人は一緒にレコードを聴いたりフォークの話題で盛り上がったりと徐々に仲は進展していくのです・・・

 

んで、まあ山本作品のお約束どおりに主人公は志室に誘われて一線を越えてしまうのでした・・・

 

・・・と、割と山本作品の中ではよくある王道の青春モノなわけですが、この作品は冒頭で「近い未来に人類が滅亡する」という設定を持ち込んでいるのが斬新ですね♪

 

実はこの設定、かの有名な大予言をオマージュしていると思われるんですが、この作品が発表された数年後(実際の予言の年)似たような題材で山本さんは別な作品を書かれているんですが・・・

 

それが衝撃の問題作・世界最後の日々という作品なんですね♪

ぶっちゃけこのお話とは世界滅亡という設定以外はまったくの別物なんですが、このヤングフォークがそれの元になったともいえる作品ではないかと

 

とりあえず先ほどの夏の思い出で張り詰めた空気をちょっとだけ緩めるような感覚の作品である意味でほっとできるお話かもしれません・・・

 

あと時代設定が1970年代ということでその時代の空気感もうまくでていてよき昭和の時代を思い起こさせるノスタルジックな作品でもありますね♪

 

特に山本さんの趣味も入ってると思われる当時のフォークソングに関する話題なんかはかなり力を入れていてフォークの神・岡林信康吉田拓郎などの名前も何度も出てきて当時を知っている人はきっとニヤっとするはずです(笑)

 

僕はこの世代の人間ではないのであまり詳しくはないんですが、フォークの素晴らしさはかなり感じられましたね♪

 

ちょっとだけこの頃のフォークを聴きたくなってしまいましたよ(笑)

 

それからヒロインの志室外見は普通の田舎の女の子といった感じなんですが、主人公を誘うシーンではがらっと変わって色っぽさが出てくるという演出がこれまたニクいです(爆)

これぞ山本マジックですね!!

 

とにかく現代の人たちが忘れかけていたモノを思い出させられるステキな作品です☆
・・・でも主人公はなんかかわいそう(笑)

 

 

 

 

天国の扉

 

この作品は冒頭でいきなり作者である山本さんが登場して読者に「天国ってどんなトコ?」と問いかけてきます!

 

そして「俺だったらこんなのがいいなぁ~」という山本さんの妄想を描いたお話です♪

 

山本さんの想像力の豊かさとファンタジーへの憧れみたいなものを感じられるお話でかの丹波哲郎さんの名作・大霊界の山本直樹バージョンといった感じでしょうか?

 

まぁしかしそこは天下の山本直樹なわけで、ただ楽しくてなんでも思い通りな夢のような世界を描くだけでなく、オチに予想外にショッキングな展開を見せてくれます!!

 

・・・ぶっちゃけ途中まで楽しんで読んでいた僕はまったく予想だにしなかったそのシーンで衝撃のあまり言葉を失いました(汗)

 

まぁでもあれが山本さんの本能なのかと思ったら妙に納得してしまったわけですが(笑)

・・・という事でまたまた山本さんにあっと言わされた作品でした

 

ちなみにこの作品、どっかで見たなぁ~?と思ったら過去に森山塔名義で描かれた「さまよえる魂」という作品にお話の展開(オチも)が似てるんですね

 

わざと似せたのか偶然似てしまったのかは謎ですが、どちらも面白かったので全然問題ありませんが(爆)

 

 

 

 

静かな生活

 

登山が趣味の主人公の青年はある日練習中に交通事故により男の大切なモノを失ってしまいます・・・

 

さらに事故の後遺症として記憶が断片的に失われるという障害を脳に受けてしまうのですが、入院中に知り合った看護師の女性と恋に落ち、退院後に結婚をする事になるのでした♪

 

この作品はそんな二人の日常を淡々と、少しだけ奇妙に描いた物語です

 

主人公は事故の保険金を使って郊外に小さな家を建てて奥さんと静かに暮らしていくんですが、二人の関係はどこかドライでした・・・

 

主人公は時々記憶があやふやになってしまう症状に加え、当然モノがないために夫婦の夜の営みも不可能です・・・

 

それでも奥さんも特に不満を言わず(むしろそういうコトが好きではないとまで言う)暮らしていくのですが、途中から主人公がおかしな幻想にとらわれるシーンが何度か出てきてだんだんと訳がわからなくなってくるという山本ワールドに引き込まれていくのです☆

そして終盤は主人公が冒頭で知り合った男と一緒に宝物を求めて山を登るシーンへと続いていくんですが、お約束のごとく唐突すぎるオチとあまりにあっけない結末が待っているのでした・・・

 

ぶっちゃけこの作品、最初に読んだときはまったく意味がわからなかったんですが、何度か読み返すうちにだんだんとその雰囲気がたまらなくなってくるという麻薬のような中毒性を持ったお話ですね(笑)

 

性行為という男女間、ましてや夫婦生活になくてはならないモノ果たして本当に必要なものなのか?といった疑問を主人公が追い求めていた宝物に重ねて語られていたのではないでしょうか?

 

山本直樹=エロという図式が成り立つくらいその手のシーンは山本作品にはなくてはならない描写なんですが、この作品はそういったシーンはサービスカット的にちょっとだけ出てくるというのもその辺を暗示させているのではないかと思います・・・

 

男女の結婚生活で本当に大切なモノはなんなのか、僕はこの作品でそれを考えさせられました♪

 

・・・やっぱ山本さんの魅力はエロだけじゃない!改めてそう思えたお話でした☆

 

 

 

 

産業'93<夏スキー編>

 

この作品の舞台はどこかの地方にあるスキーリゾートホテル


ここは村興しと就職難、そして嫁不足を一気に解決するビッグプロジェクトという名目で建てられたホテルとのコトのようですが、やはりやってくるお客さんはそいう事が目的のカップルばかりだったのでした・・・

このお話はそんな人々の欲望が絡み合ったホテルで起こったある事件をさまざまな視点で描いた作品です♪

 

最初に読んだ時はその様々な人物のお話の描写から、以前にご紹介した「学校」に近い雰囲気の作品かと思っていたんですが、実際はあれよりももうちょっとシンプルで最終的には一つのオチになだれ込んでいく感じの作品でした☆

 

中心となる人物は久々にこの地へ帰ってきた男、ススム
そしてホテルの従業員(メイド)でススムと過去に関係を持っていた女性であるタヅ子の二人です

 

タヅ子はススムとはすでに関係を清算し、今では中年の支配人と身体の関係を持っていたんですが、ススムはその事をかつての友人であり今ではこのホテルのスタッフとして働いている佐吉から聞かされた事からこの作品は大きく動き始めます♪

 

ぶっちゃけストーリー自体はそれほど凝った内容でもなく、ページ数も少ないのですぐに読み終えられる内容なんですが、やはり何がすごいってお話の見せ方とキャラクターの心理描写のうまさでしょうね・・・

 

当初はただ無造作にピックアップされた人物の姿を断片的に見せているだけかと思っていたんですが、中盤以降お話が展開して行くにしたがってそれ以前の混沌とした内容のほとんどがラストの伏線になっていたという計算しつくされた演出に震えました

 

まさか冒頭で一瞬だけ出てきたアレが終盤であんな使われ方をするとは・・・(ネタバレ回避)

 

それから登場するキャラクターも個性的で特にススムの母親であるおばあちゃんのインパクトは絶大でした(爆)

 

あとこの作品は地方のホテルが舞台という事でネイティブな人物同士の会話は方言で書かれているんですが、それを全て横書きにしてアクセント部分に「・」が書かれていたりと徹底した演出方法は斬新でしたね♪

 

そんなまるで映画を見ているような演出先の展開を予想させる暇もないほどに畳み掛けていくストーリー展開が素晴らしい作品ですね♪

 

やはりこの作品も最初よりも2回目以降の方が面白く感じられるお話なのでぜひ一度だけで満足せずに何度も読むことをオススメします☆

 

 

 

 

どれいちゃんとごしゅじんさまくん

 

森山塔、復活!!(爆)

・・・という事でこの作品は今までの作品からがらっと変わって完全なギャグ&エロ重視のお話です(笑)

 

主人公のどれいちゃんごく普通の学校に通う女の子なんですが、この子はごしゅじんさまくんという鬼畜な男の子の言いなりになっていて毎日呼び出されてひどい事をされる日々を送っていました・・・

 

そんなどれいちゃんを影から見ていた少年、鰯水くんは彼女に「君は間違っている」と忠告をするんですが、どれいちゃんはごしゅじんさまくんとの間に愛があるという事でそんな話に耳を貸すはずもなかったのでした

 

そんな感じでごしゅじんさまくんの性奴隷として過ごすどれいちゃんいつかどれいちゃんを助けてあげると言いながら常に遠くから見守るだけというストーカーまがいな行動しかしない鰯水の3人のワンパターンな展開のギャグ作品ですね♪

 

ちなみにこの作品はその作風をイメージするためか、かなり力の抜けた雰囲気の絵で描かれているんですが、それでもその手のシーンはしっかりとエロスを感じさせる描き方天才・山本直樹の存在感を印象付けますね(笑)

 

あとこの作品はナレーションのようなト書きがまたいい味を出していて本編のいい意味でのくだらなさを引き立てていますね♪

 

これまで完成度の高い短編が続いていたんですがココに来てその作品のギャップにまず驚くお話ですね(爆)

 

やはりシリアスだけでなく、こういった完全なギャグモノも描ける所が山本さんの魅力なのではないかと思いますね☆

 

 

 


分校の人
 

そしてこちらもギャグ100%なお話(笑)

 

お話は父親の言葉が元となって地方の村の分校へと赴任してきた真面目一直線な中年教師・肉村

 

しかし彼が赴任したてきた初日に教室にいたのは深詰切子という女の子一人だけだったのでした・・・
 
そして切子は肉村に言うのでした
「先生って前の学校で生徒を妊娠させて逃げて来たって本当ですか?」

 

もちろんそんな事実はない肉村はそれを否定するんですが、なんとその場で切子は肉村を誘惑し始めるのでした・・・

 

そんな感じで真面目な教師が女の子にだまされる姿を見て爆笑するお話です(爆)

 

一応この後また別な学校でのお話もあるんですが、全部でたったの8ページというショートギャグ作品なんで内容もないに等しいですね(笑)

 

まあそれでも先ほどのどれいちゃんとごしゅじんさまくん同様にちゃんとエロシーンには力を入れてる辺り山本さんの執念を感じました(爆)

 

個人的にはかなり面白かったんですが、いかんせんお話が短すぎたのがちょっと残念でした・・・

できればこの後最終的に彼がどうなったのかを知りたかったですね

 

ちゅうわけで最初にあれだけ真面目なお話で始めておいて最後の最後をこんなしょうもない話で締めくくるという構成にまたもや読者は「やられた!」と思ってしまうのでありました(笑)

 

 

 

 

・お気に入りのセリフ

 

おれは死刑になるだろう
あと何年かで俺は死ぬだろう
だがあんたも・・・あんたもいずれは死ぬんだよ
おんなじさ
それまでの時間が長いか短いかそれだけだ
みんないつ来るかわからない死刑執行を待ってる死刑囚じゃねえか

 

※「夏の思い出」より

 

お話の最後に主人公が犯人の証言を回想するシーンのセリフなんですが・・・これほど深い言葉はたぶんないんじゃないかと(笑)

 

犯人は決して許されざる悪人当然この後死刑となるんでしょうけど、どうもこのセリフを聞くとなんともいえない敗北感みたいなものを感じました・・・

 

本当にこういうセリフをよく思いつくものだと改めて感心した一言でしたね

 

 

 


まあそんなわけで表題の問題作からラストのギャグ2連発まで非常に濃度の高い(毎回かな?)短編集となっております☆

 

やはりかなり衝撃的な作品なだけに山本作品初心者の方にはちょっと厳しいかもしれませんが、以前に紹介した学校と同様にハマるともう抜け出せなくなるほどにのめりこむパワーを持った一冊ではないかと思います!

 

衝撃作の多い90年代の短編集の中でも一際異彩を放つ作品なので山本作品をチェックする上で絶対に外せない作品なのではないかと思いますので興味のある方はぜひ読んでもらいたいと思いますね♪

 

単にエロだけを描きたいわけじゃないという山本さんの強烈なメッセージがたくさんこめられていますのでその辺を感じつつ楽しんでいただきたいですね(笑)

 

さてそんなわけで果たして次回はいつになるかともすればCRURUではこれで最後になるかもしれませんが(汗)

 

いつかまた山本作品のレビューをしたいと思いますのでその日をお楽しみに☆

・・・次回はもうちょっと初期のライトな作品をご紹介する予定(笑)

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コメント

どの作品もギトギトした作品になってますね。
結構エロシーンもあるけどそれを凌駕する奥深さがあるようですね・・・・。
CURURU最後になってしまうのは私も残念です。
(ついギトギトな話を聞くと文章が「。」だけになってしまいますww

いろんな意味で過激な作品というのが山本さんの特徴です(笑)
でも最近のモノは特にそうなんですが絵の雰囲気がどこか透明感があってすっきりしてるからそれほどギトギト感はありませんよ♪
・・・でもこれはさすがに最初に読むことはあまりオススメしませんが(汗)
とりあえずCRURU消滅の時まで僕は行き続けますので見守ってあげてくだされ(笑)
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